1. 清掃の基本方針
- 汚れの「除去」と「消毒」を明確に分けることが重要。
- 除去: 目に見える汚れや埃、ゴミを取り除く。
- 消毒: 見えない細菌やウイルスを殺菌・除去する。
- 高頻度で接触される場所や患者の利用頻度が高いエリアを重点的に清掃する。
2. 各エリアごとの清掃ポイント
(1) 待合室
- 頻度: 1〜2時間ごとに清掃・消毒。
- 対象箇所:
- 椅子、テーブルの表面(特に患者が触れる肘掛け部分)
- ドアノブ、手すり
- 受付カウンターや透明アクリル板
- 雑誌やおもちゃの配置を避けるか、定期的に消毒する。
- 使用する消毒剤: 次亜塩素酸ナトリウム(0.05%)やアルコール消毒液。
(2) 診察室
- 頻度: 患者ごとの清掃・消毒が基本。
- 対象箇所:
- 診察台、椅子、机の表面
- 聴診器や血圧計などの医療機器(患者ごとに消毒)
- 床や壁(必要に応じて)
- 清掃手順:
- 使い捨ての清掃クロスを使用。
- 器具類はアルコール消毒または医療用消毒液で拭き取り。
(3) トイレ
- 頻度: 1日3〜4回以上、または患者利用後に実施。
- 対象箇所:
- 便座、トイレのフラッシュボタン
- 洗面台、蛇口、手洗い用ディスペンサー
- ドアノブや壁の手をつく部分
- 特別な注意:
- 清掃用具(モップやクロス)はトイレ専用のものを使用し、他のエリアと共用しない。
(4) スタッフ専用エリア
- 頻度: 1日1〜2回以上。
- 対象箇所:
- 休憩室のテーブル、椅子、キッチン周辺
- 更衣室のロッカーやドアノブ
- 電話やパソコンのキーボード・マウス
3. 清掃用具と消毒剤の管理
- 使い捨て用品の活用:
- 患者や部屋ごとに使い捨てのクロスやペーパータオルを使用。
- 専用モップやクロスの導入:
- エリアごとに専用の清掃用具を使い、混同を防ぐ。
- 消毒剤の選定:
- 次亜塩素酸ナトリウムやアルコール消毒液をエリアに応じて使い分ける。
- 医療機器やプラスチック表面にはアルコール、トイレや床には次亜塩素酸ナトリウムが効果的。
4. 清掃スタッフの感染予防対策
- 清掃作業中は使い捨ての手袋、マスク、エプロンを着用する。
- 清掃後は手洗いと手指消毒を徹底する。
- 使用した清掃用具は毎日洗浄・消毒し、必要に応じて交換する。
5. 清掃スケジュールの管理
- 日次清掃:
- 一般的な清掃(床のモップがけ、ドアノブやテーブルの拭き掃除)。
- 週次清掃:
- 壁や換気口の清掃、エアコンフィルターの点検・清掃。
- 月次清掃:
- 窓ガラス、照明器具、カーテンなどの徹底清掃。
6. 患者への安心感の提供
- 清掃が行われている様子を患者が目にすることで、クリニックの清潔さに対する信頼感を向上させる。
- 清掃スケジュールや実施内容を掲示板やデジタルサイネージで公表する。
クリニックの清掃は、日々の徹底した管理と計画が重要です。専門業者による定期的な清掃も併用することで、さらなる安全性を確保できます。これらの清掃対策を継続することで、患者とスタッフの健康を守る環境を整えることができます。